Interview

対談・プロに聴く

あなたにぴったりの留学を
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妹尾弥矢子さん/NBAバレエ団/日本妹尾弥矢子さん プロフィール14歳からワガノワメソッドを学ぶ
16歳から2年間ロシア国立ワガノワバレエアカデミーに留学、卒業
2012年1、3月 ウクライナ国立ハリコフバレエ劇場にて「くるみ割り人形」主演、「バヤデルカ」ガムザッティ役、「白雪姫」魔女役で出演
2013年4月NBAバレエ団入団
現在活動中
-妹尾様の略歴を教えて頂けますか?
4歳からバレエを始めて、15歳で東京インターナショナルダンススクールでロシアスタイルを学び始めました。16歳の時に、栃木のワガノワ・バレエ・アカデミーの留学オーデションを受けて、それから、16歳の時に留学して、2年学んで卒業して、18歳で東京インターナショナルダンスカンパニーで活動して、20歳の時にNBAバレエ団に去年4月に入団しました。
-今は何歳ですか?
21歳です。
-若いんですね。16歳でロシアに行かれて。そもそも4歳から始められて興味を持ったキッカケっていうのはどんな事があったんですか?
バレエに興味を持ったのは、お姉ちゃんの友達がバレエ教室に通っていて、お姉ちゃんがバレエを始めようと思って見学に行ったんですけど、お姉ちゃんではなく私が「やりたい」「やらせてくれ」ってお母さんに言って、やり始めたのがキッカケです。
-週何回ぐらいのお稽古だったんですか?
小さい頃は週2~3回くらいだったと思います。中学生ぐらいから本格的に「プロになりたい」と思って、週4~5回ぐらいなって。
-週4~5回というのは、学校に通って放課後にレッスンに行ってっていう。
そうですね。平日は多分何曜日かがお休みで、あと土曜日にクラスがあってという感じでした。
-大変ですね。
いえいえ。
-やっぱり小さい時から訓練なさっている方は皆さん凄いなあと思うんですけど、途中で嫌になって辞めたいとか思ったことは?
留学中にケガをしてしまって、「ああ、辛いな」って思ったんですけど、結局辞めずに今までやって、ケガとかが原因で「ちょっと辞めたいな」と思ったことはあるんですけど、結局辞めずにきてます。
-ほんとにバレエが大好きというか。
はい、そうです。
-生活の一部っていう?
はい、全てが。
-栃木のワガノワのコンクールの方を受けられたのは、それはスクールの勧めとかもあったんですか?
はい、そうです。もともとドイツに憧れの人が留学していて、「ドイツがいいなあ」って思ってたんですけど、教室の先生が「もし、ワガノワに行けるんだったら、ワガノワの方がいいから一度受けてみたら?」って仰って、それで受けてみて、ロシアの先生もいいと仰ってくれたので行くことにして、結果、正解だったとは思うんですけど先生の勧めがキッカケです。
-16歳で行かれたってことは、高校には日本で普通に入学されて。
はい。高校一年は行って、二年の7月までは行ったんですけど中退して、高校二年の9月からロシアに行きました。
-ロシアのそのワガノワスクールはバレエのみ?
そうですね。留学生の為にやってくれてるクラスでロシア語のクラスはあったんですけど。バレエとバレエに関するモダンバレエみたいなので、組んでデュエットを踊ったりとかのクラスはあったんですけど、学科は受けてないです。
-ロシア語も高校生だと当然、そんなに勉強することもないと思うんですけど、「行こう」って思ったその原動力って何ですかね?
留学には凄いずっと憧れていて、「将来のバレエ団も外国がいいなあ」ってずっと思ってて、留学してみて、「やっぱり日本がいいなあ」と思ったんですけど。活躍している人は外国にいるイメージがあったから、憧れです。
-ロシアの方で卒業されて、すぐ日本に帰って来られたんですか?
はい、そうです。日本で。
-ロシアの学校はどうでしたか?
やっぱり、クオリティが高いから凄い勉強になりました。
-どういう違いがある感じなんですかね?
やっぱり、選ばれて入った人達だから凄いスタイルがよくて、バレエが授業になってるから、それが凄い不思議でした。日本だったら、学校を終わった後にレッスンするのが普通だったのに、昼からずっとバレエだけやってというのは凄く新鮮でした。
-レッスンは朝から晩までというか、普通の学校の時間帯で?
そうです。私の行ってた時は、9時からロシア語の授業が1時間近くあって、11時からクラッシックバレエは毎日あって、それが1時間半終わったら、45分ぐらいトウシューズの授業とかが週2回ぐらいあって、モダンバレエとか男性と組んで踊ったりする授業とか、キャラクターダンスと演技のアクトというので、それがそれぞれ週2回ずつあって毎日18時間ぐらいには全部終わってました。
 
-結構みっちりというか。
そんなに。高校に行って、その後バレエに行くよりは全然少ない気がします。
-11時間ぐらいからバレエのレッスン自体が始まって、お昼休みもあって、それで18時頃に終わる?
はい。18時には終わってるんで。日本だったら多分、朝から16時ぐらいまで高校に行って、18時ぐらいから21時ぐらいまでレッスンとか。だから、それに比べると楽だなあと思います。移動時間もなかったから結構暇でした。
-空いてる時間は何なさってたんですか?
ほとんどスカイプで家の人と連絡したり、あとはYoutube観たりのんきな生活でした。
-今、結構連絡がすぐ取れるから、そんなホームシックとかはならなかったですか?
行ってすぐの時(2週間くらい)は、「あと一年会えないのかあ」と思って、ちょっと寂しかったですけど、友達もできて慣れてきたらもう全然あんまり連絡もしなくなっていって、楽しかったです。
-学校の中で発表会があったりとか、そういうのもあるんですか?
はい。テストが発表みたいな感じで、9月から始まって、大体3月、4月ぐらいがテストの時期になって、その時は先生方が観ていて、他のクラスとか学年の生徒も観れるようになってて。あとは、4月ぐらいに留学生の為の公演があったので、それはたぶん発表みたいな感じで舞台でやるような感じでした。
-留学生ってどのくらいいた感じなんですか?
日本人はたくさんで、15人ぐらいいました。あとは、私の思い付く限りでは、アメリカ、イタリア、韓国、ベルギー、ドイツから多分それぞれ2~3人くらいいました。日本人ほどは多くなかったんですけど、それぞれ2~3人くらい来てました。
-クラスは留学生クラスっていう感じなんですか?
留学生クラスではなかったんですけど、それぞれロシア人のクラスに入れてもらって、1クラス多くても留学生は2~3人くらいでした。留学生の為の公演に向けての練習の時だけは集まって、そういう留学生の為のリハーサルというクラスはありました。
-大体、通常のレッスンの1クラスというのは何人ぐらいなんですか?
12人くらいでした。
-先生はお一人?
先生は一人です。あとはピアニストの方がいます。
-イメージ的に、ロシアだと凄い怖そうな感じがするんですけど。
よく言われます。でも、先生によっては厳しい方もいるんですけど優しさだからと思って。
-どういう違いがあるんですかね?
結構、厳しい先生は言葉の感じが荒いから、怒ってるようにいつも聞こえるみたいで。普通の先生は口調はそこまで荒くなかったり、静かな先生だったりしたので。多分、厳しいクラスの生徒は厳しいと思うような話し方。
-へこたれちゃう人もいるぐらい厳しいのかなと思ったんですけど。
みんな一生懸命付いていってる人が多いと思います。
-皆さん、留学生もロシアの方も全員プロを目指してやってくような感じですか?
はい。みんなプロになると思います。
-緊張が毎日ありますね。
はい。毎日、いつも緊張してました。
-気が緩められない。
はい。緊張感のある中でレッスンするのは、やっぱり上手になった理由だと思います。
-周りが凄い刺激になる感じですか?
はい。みんな一生懸命だし、積極的にレッスンして練習してという方が多かったから、それで「私も頑張らないと」っていう感じでした。
-アピールしたりするのって、日本人の人とか苦手そうだけど。
そうですね。
-だんだん慣れました?
はい、もう。混ざらなきゃと思って、同じような感じで並んで出来るようにと思ってやってました。
-ロシア以外で他の海外とかでレッスン受けたりとかはなさったんですか?
私のバレエ教室がウクライナと国際交流公演というのをした事があって、まずは、日本にウクライナの子どもバレエ劇場の方が来てくれたんですけど、その時に一緒に引率で来て下さった先生が私に、「もしよかったら、ウクライナで踊ってみたらどう?」って仰って下さって2回行きました。2公演と4公演で行ったんですけど、それは短期というか1~2週間くらいの期間でした。
-ロシアに行って一番大変だったことって何かありますか?
大変だったことは、飛行機の移動が長かったかな。モスクワまで行って、乗り換えて1時間乗ってっていうのは結構寒いし、それは結構大変だなあと思いました。あと、ウクライナに行った時は、ハリコフっていう都市だったんですけど、モスクワからキエフまで行って、それからまたバスで6時間とか車で6時間くらいかかって、それは寒いし長いし、ほんとに移動が一番辛かったです。
-大変ですねえ。
学校はほんとに楽しかったので、一生懸命だったというのはありますけど、苦労したなあというのはあんまりないですかね。荷物が重いし移動が大変でした。
-それバス6時間って、全部一人でですか?
1回目は一人で行ったんですけど、向こうの先生が車でお迎えに来てくれました。2回目はお教室の先生と私の他の生徒も来ていたので、一緒に5~6人ぐらいで行きました。
-結構、10代から海外に出られて自立の心っていうのがあったんですかね?
でも、そんなに。寮だったので食事も出てたから、お洗濯と掃除ぐらいしかやらなかったから、「あんまり自立はしてないかなあ」という感じはします。精神的に、お母さんとお父さんがいないから「ちょっとしっかりしなきゃ」という気持ちはありましたけど、少しは成長したかもしれないですけど。
-寮のお食事とかはどうでした?美味しかったですか?
美味しかったです。私は苦手な物もあったんですけど、ほとんど全部大丈夫でした。
-ロシアの料理って言うと、もしかしてロシアの叔母さんみたいな感じになっちゃうんじゃないかとか思って。
確かに、油っぽい料理とかが結構多かったと思います。
-「将来は海外で」ともともとは思ってらっしゃってたと思うんですけど、その方針が変わったのは何かキッカケとかありましたか?
外国だったらやっぱり日本の友達にも会えないから、それよりは楽しい日本でバレエやれたらいいなあみたいな、ちょっと甘い考えだったんです。あとは、キッカケは、2年目の時に就職活動をしてたんですけど、その途中にケガをしてしまって、「ちょっと縁がないのかなあ」みたいな「ちょっとタイミング悪くケガしちゃったし、”これは日本で働け”って神様が言ってるのかなあ」と思って、それで日本だったら家族もいるしと思って日本に帰ってきました。
-スクールにいらっしゃる時から、皆さん就職活動をなさる?
そうですね。6月ぐらいに卒業するんですけど、卒業の前の1月、2月とか年末ぐらいから、多分、就職のことを考え始めるときです。ヨーロッパに行く人は、例えばヨーロッパに行ってオーデションを受けて、もし合格したら次の9月から就職するみたいなんですけど。
-それって、そのオーデションの応募自体は皆さんどうやってなさるんですか?
バレエカンパニーのホームページを見て、コンタクトでメールを送ったり、それか住所を調べて手紙を送ったりして、それで、「オーデション何月何日に受けに来ていいですよ」って言われたら受けに行ったりとか。あと、私がやってたのは、ビデオをyutubeに載せてURLを貼り付けて、「これ私のビデオなんですけど見て下さい」っていって。それで、たぶん最終的にはオーデションしに受けに行って決まるんですけど。私はビデオを送ったりして、日程を決めてた時にちょうどケガしちゃったから、実際には行ってないんですけど、多分みんなはそういう風にしてやってると思います。
-結構、それでオーデションまでこぎつけるものなんですかね?
バレエ団のレベルにもよるかもしれなんですけど、大抵は「来ていいですよ」って言ってくれる場合が多いので、オーデションに行く所までは、そんなに難しくないんじゃないかなと思いますけど。
-そこから突破するのが大変?
そうですね。多分、オーデション受けて合格するのは難しいんですかね。
-それで、妹尾さんの場合は日本に帰って来られて、日本に帰って来る前から日本での就職活動はされてたんですか?
してないんですけど、地元の教室に帰って踊り続けて、それで去年の3月にNBAバレエ団のオーデション受けて、それで4月に入団してという感じです。帰ってきた後から就職みたいな感じです。
-NBAバレエ団はどうですか?
NBAは楽しいです。監督もフレンドリーな方で先輩も優しいので楽しいです。
-バレエ団での一日の生活って、どんな流れなんですか?
私は10時からレッスンがあって1時間半やって、12時からリハーサルが始まって、長くても17時に終わる感じです。毎日、リハーサルはあるんですけど、キャストによって必要な人と今日はリハーサルないという人と、あと、何時までは必要だけどみたいな人がいるので、毎日17時までというわけではないんですけど。15時ぐらいで終わる日もあれば、17時までやる日もあればという感じです。
-通年通して、いつでも毎日毎日リハが入ってる?
大体、毎日何かしらのリハーサルやってる時が多いんですけど、公演の前2ヶ月ぐらいが大体リハーサルがある期間で、あとは、小さい公演が時々あって高校生向けの芸術鑑賞会みたいなのがあるので、そういうのの練習があったりして、大体いつもリハーサルはあるような感じです。
-演目とかは芸術監督の方が決めて?
そうですね。2年先くらいまでは、ほとんど決まっているらしくて。小さい公演とかは直前に決まったりするんですけど、本公演とか年に2~3回のは大体決まってるみたいです。
-2年先の自分の役っていうのまでは分からない?
役は直前にリハーサルの時に決まるような感じになってます。
-17時とかに終わったら、もうそれで帰って次の日の準備してっていう?
いや。私の場合は月曜日と火曜日の夜はお休みでないんですけど、水曜日から土曜日は18時ぐらいから21時くらいまで教えをしているので、それで終わりですよね。
-忙しいですね。
いやー、そんな事はないんですけど。
-教えるのもやってみたい?
教えは地元のもともと私の通っていたスタジオと、あとはNBAバレエ団の紹介で他の日本橋のスタジオで教えをしています。
-何歳ぐらいの方達を?
地元のスタジオは高校生くらいまで。小学生のクラスと中高生のクラスを持っています。日本橋の方は、大人の方で趣味でやられてる方と小学生のクラスと持ってます。
-ワガノワの方で、教える方法とかも教わったりとかするんですか?
それは別の授業があって、私はその専攻じゃなかったんですけど、教師向けの入学方法もあるみたいなんですけど、私は学んでないんです。
-教えるのは楽しいですか?
妹尾弥矢子さん/NBAバレエ団/日本中高生はやる気があって楽しいです。小学生とかは嫌そうな子がいるから、ちょっと大変ですけど。
-やらされててみたいな。
という子も時々いると大変なんですけど。あとは基本的に楽しいです。
-海外での生活とかお仕事になっちゃうんですけども、日本人だから有利だなって思った点って何かありますか?
やっぱり几帳面で練習熱心だから、多分真面目だなあと思われてたかもしれないです。それで、あんまり得したことはないかもしれないんですけど。でも、待ち合わせとかは時間がキッチリしているから、そんな心配されないとかくらいですかね。
-ロシアの方とかってどうなんですか?やっぱり待ち合わせとかは?
多分、守ってくれる方が多いとは思います。多分、日本人とは似てると思います。
-練習は、日本人が一番熱心な感じですか?
私はそんなに熱心ではないんですけど、多分、日本人の方が熱心な方だと思います。ロシア人も勿論、頑張り屋の子も沢山いるんですけど、同じくらいですかね。でも、日本人の方が留学生だし、「留学してるから頑張らなきゃ」っていうような志を持ってやってる人が多いかもしれないです。
-学校生活でほんとにイメージとして、周りの上手い子を妬んで意地悪をするとか、そういうのってあったりするんですか?
多分、私の見る限りでは全くなかったと思います。でも、一番上手なクラスの子はちょっと気が強くて、周りの子に対して「なんで間違えるのよ」って言ったりしたりするのを周りの子が「何よあの子」「酷い」みたいなそんな感じはありましたけど、多分、妬んで意地悪したりとかはないと思います。
-変な質問ですみません。
いえいえ、私も留学する前は気になってました。
-「上手なクラス」と仰ってたんですけど、大体どういうレベルに分かれるですか?
学年は年で分かれていて、1年生から9年生まであったんですけど、6年生から上は、多分2クラスずつが基本的で、5年生から下は、多分3クラスくらいあったのかもしれないです。2クラスあって、そのレベルはどっちかが上手というのはないので、小さい時からずっと同じクラスでクラス替えとかもなく、あまりレベルは多分変わらないと思います。
-でも、5年生より下は3クラスで、6年生より上が2クラスという事は1クラスどこかで減ってるというか。
そうです。ロシアの子だけなんですけど、6年と8年で2年に1回ぐらい国家試験があって落とされちゃうと退学になってしまう。そしたら、その子達は他のちょっと小さめのバレエ団とかダンサーとして就職したり、それかバレエじゃない方に行く人もいるみたいで、様々だと思うんですけど。
-国家試験ってダンサーの国家試験?
はい。バレエの学年末にある試験で5段階で3か2か分からないんですけど、結構、低い点だと落とされてしまうみたいなんですけど。
-ロシアは人は大変ですよね。留学生はそういうのは特になく?
はい。あんまり関係ないので。テストは出て点数も付けてもらうんですけど、ちょっと優しめに付けてくれる人とか先生が多いので、落ちたりすることはほぼないと思います。
-留学してて、途中で帰っちゃう方とかいらっしゃいました?
はい。ちょっとサボり気味で、全然レッスンに出てなかったから帰らされちゃった子はいました。あとは、ケガしちゃって自分で帰るのを選択して帰る子もいました。それ以外は、ほとんど普通に授業してれば退学させられるような事はないんですけど、時々そういう事もあるみたいです。
-サボっちゃうというのも凄いですよね。
凄いですよね。
-サボることに勇気がいりそうな。
そうですね。私は一日も休まずに怖くて行っていました。
-体調不良とかもなかったんですか?
はい。一年目はケガせずに一日も休まずに行ったんですけど、二年目はちょっとケガしちゃってお休みした時もあるんですけど、他にやる事がないから、ほとんど休まずにいつも行ってました。
-お休みの日は出掛けたりとかそういうのも?
そういうのは劇場に行ったり、それかスーパーに食べ物買いに行ったり、美術館があったのでそこに行ったり、教会もせっかく来たから見とこうと言って見に行ったり、あとは散歩したりぐらいですかね。でも、それ以外はお掃除したりネットしたりしてました。
-劇場はロシアだと、いくらぐらいで観れるんですか?
マリンスキーはそんなに高いわけではないんですけど、一番高い席だったら8千円くらいで、一番安い席だったら千円くらいで観れるみたいです。席が凄い多いので4階席くらいまであって、1階ぐらいだと高いんですけど、4階だと立ち見で千円以内で観られるような所もあったりして、そんなに高くないんですけど。いい席で観たり有名な方が来たりすると、ちょっと高いんですけど1万円ぐらいになったりするんです。
-でも、せっかくだからいろいろ観たいですもんね。
学校で券が貰える時があって、それは立ち見なんですけど、せっかくだからと思って、それはよく貰って行っていました。
-毎月何回くらい行けたんですか?
1~2ヶ月に1回ぐらい行けるんですけど、必ずその券が貰えるわけじゃなくて、結構 先着順みたいな感じで、友達が取ってくれて、よく一緒に観に行けてたんですけど。毎回は観れなかったので。
-でも勉強になりますよね?
クオリティがやっぱり凄いので勉強になりました。
-現在、プロで活躍なさってて、今勉強中の学生さんの方とかに対して、どういう風にステップアップしていけばいいかっていうアドバイスとかありますか?
バレエをやる方だったら、やっぱり先生の言うことをよく聞いて、素直に一生懸命やればいいと思います。
-やっぱり先生に対して疑問を持ったりということはあんまりないものですか?
ないです。ロシアにいた時は、やっぱり偉大な先生だったから先生が絶対だと思って、それで信じて何も疑問を持たずに出来たから凄く良かったと思います。
-それは、やっぱりワガノワメソッドって、ちゃんとメソッドとしてあったからですか?
そうです。もともとワガノワメソッドで日本でもやってたんですけど、それが元になっているから「先生のことを凄い信じてやれれば上手になれるのかなあ」と思ってずっとやってたので、大事なことなんじゃないかなあと。
-先生とは、皆さん全員ロシア語でコミュニケーションをとる?
そうですね。ロシア語です。私はあんまり得意ではなかったんですけど、一応勉強して行って、最初はちょっと喋れるみたいな感じで。でも、レッスン自体は先生の仰ってることは全部分かるようにしていったので。普段の会話は結構、自分で喋るのは難しいんですけど、レッスン中はほとんど不自由なく出来てました。
-どうやって身に付けたんですか?
日本でもロシア人の先生だったんですよ。もともとロシア語でレッスンを受けることはあったので、よく先生が使う単語と体の部位と「何曜日何時にリハーサル」というのは聞き取れなきゃいけないなと思って、その日付とかは分かるようにして、拶くらい覚えていって、それで行ったんですけど、それでレッスンは結構、最初から理解してできました。
-凄い。意見を求められたりとかそういう事はあるんですか?
あんまりないですね。ほとんど先生がお話になられることを聞いて黙ってやるみたいな感じなので。
-そこはちょっと音楽とは違う感じなんですかね?
音楽だと話すこともあるんですかね?
-「なんでこうだったのか教えて?」っていう「理由を説明しなさい」みたいな。
レッスンの感じがやっぱり違うんですね。
-バレエって、とても喋るわけでもないし難しいと思うんですけど。
ちょっと難しいですよね。
-それで音を表現したりとかっていうのは、凄い大変だなあと思うんです。
私もそう思います。
-やっぱり、それは日々の鍛練ですか?
ですかねえ。やっぱり先生の言うことを聞くことですかね。
-今は、NBAでも先生がいらしてて。
そうです。芸術監督と外国から先生をお招きして、その先生が振付と指導をして下さってという感じです。
-妹尾さんにとって、バレエというのは一体何でしょう?
私にとっては大事な生活の一部というか、欠かせないものという感じです。
-そうでしょうね。だって、ずっと小さい時からなさってきて凄いですよね。起きてる時間の半分以上は踊ってる?
踊ってない時間も多いですけど、教えてる時間も含めると「バレエに関わってる時間が長いなあ」って思います。
-凄いな。ダンサーっていうのはやっぱり若くして活躍して、「将来的にはどういう風になっていきたい」っていうのはありますか?
はい。私の人生設計だと30代中頃で踊るのは引退して結婚とかして、教えを昼間からやりたいなと思います。今は夕方だけなんですけど、昼間の大人のクラスとかカンパニーのクラスとかの先生になりたいです。
-バレエの先生って、お教室とかは自分で開く方が多いんですか?
それもいらっしゃると思うんですけど、友達と「開きたいね」っていう話はしてるんですけど、まだそれは難しいから、今は「引退したらやろうね」っていう風に話してるんですけど。まだ分からないですけど。
-30代半ばだったら、まだまだありますね。
でも、あと10年ぐらいだから、あと5年以内ぐらいにはもうちょっと上の階級にならないとと思って、ちょっと焦ってやってるんですけど。
-階級制度なんですか?
一応、ソリストとプリンシュパルはいるんですけど、あとはアーティストでコールドバレエみたいな。コールドバレエと言われても一人で踊らせてもらえる人もいるんですけど、それを繰り返し繰り返しやっていくとソリストになれるみたいなので、頑張らないとなと思ってやってます。
-頑張って下さい。
ありがとうございます。
-ソリストは、やってく中では一番の目標ですか?
はい。そうですね。やっぱり楽しそうなので、自分の踊りたい踊りが出来るからいいなあって思います。やっぱり周りだとフォーメーションとかが大事なので、踊りの質よりも場所取りとかそういうのを優先しなきゃいけないから、ちょっとそれよりは自分の踊りが出来るようになりたいなあと思います。
-フォーメーションもフォーメーションで大変ですけどね。
そうですね。目を光らせて踊らないといけないのでよく怒られながら踊ってます。
-難しいものですか?
私にとっては結構、難しいです。
-やっぱり慣れもあるんですかね?
たぶん。みんなが「これは経験だよ」って言って慰めてくれます。
-何歩でここまで行くとか、そういう感じなんですか?
そうですね。あとは舞台の2分の1、4分の1、8分の1って分けられているから、その印を見て、その辺まで行って横の列も合せてみたいな、そういうのがちょっと難しくて苦戦してます。
-四方八方に気を配ってっていうことですもんね?
そうです。「それをやりなさい」「よく見て」って言われちゃいます。
-そのレッスンをいつも?
そうですね。リハーサルではそういう事はやります。
-疲れそう。
いつも「ふうーっ」ってなります。
-妹尾さんの今後のダンスでの夢はどんな事でしょう?
さっきもちょっと言ったんですけど、今の目標はソリストになることです。
-ソリストで踊ってみたい役とかはありますか?
なんでも踊ってみたいですけど、私に合ってる役がやりたいです。背が高いので、踊るとしたらそういうのが活かした踊りになると思うんですけど、それを私らしく踊りたいという、そういう感じはあります。
-ちなみに身長はおいくつなんですか?
165cmなんですけど、NBAバレエ団は結構小柄な人が多いので、私だと結構高い方になるんです。
-男性との兼ね合いもあるし大変ですよね。
そうですね。みんな小さいから。
-海外の人が来たりしたら。
そうですね。ゲストの方と踊れたらいいなあと。
-プロのダンサーとして活躍する秘訣とかは何かありますか?
私はそんなとんでもないんですけど、私が思うのは「結構、人間関係が大事だなあ」って。先生の紹介で教え先を紹介してもらったり舞台のチャンスを頂いたりして、私はほんとまだまだなんですけど、「先生の人脈が大事だなあ」って思います。まだ経験も少ないし全然なんですけど「大事なんだろうなあ」って感じてます。
-バレエ団は何人ぐらいいらっしゃるんですか?
ざっと言って、女性が30人ぐらいいると思います。男性が20人いて、あと研究生みたいな感じでスタジオカンパニーという名前のバレエ団の研究予備軍みたいなのが40人近くいます。
-100人近く?
最近増えたみたいで、結構多いです。
-100人と上手くやっていくのは大変ですよね?
確かにそうですね 。でも、みんな優しいから大丈夫です。
-「今後、海外で勉強したい」とか「プロになりたい」と考えている人にアドバイスがあれば?
留学するとしたら、留学してる間楽しんだらいいと思います。今考えると「あの2年はと凄い、結構楽しかったなあ」と思うので、いろいろチャンスがあると思うので、毎日充実させていったらいいと思います。
-学生でそれに集中できる時間って短いですもんね。ロシアの方なんですけど、ビザとかはどうされてました?
栃木のオーデションを受けていたので、そのオーデションの主催している方が全部ビザは取って下さって。最初の時は飛行機のチケットも取って下さって。
-ロシアって結構、エイズ検査とかいろいろ大変じゃないですか?特になかったですか?
妹尾弥矢子さん/NBAバレエ団/日本そうなんですか?私は健康診断は自分でやって、それを提出して送ってもらったんですけど。ロシア語訳とかはしてなかったので、やってくれたんだとは思うんですけど。