内山 陽瀬 さん/ドレスデン国際バレエサマースクール内山 陽瀬 さん プロフィール6歳からバレエを始める。
お茶の水女子大学 文教育学部 芸術・表現行動学科 舞踊教育学コースに進学。
-ドレスデン国際バレエサマースクールを選ばれた理由を教えていただけますか?
内山陽瀬 初めての海外だったので、一人で行くには2週間っていう期間が丁度と感じたからです。あとは参加費が、他の学校だと2週間で60万とかしちゃうのが40万ぐらいで行けたので、そこは魅力的だと感じました。またインターナショナルだったこと。国際交流できそうだと思いました。
-実際に、講習会を受けられて、一番印象的だったことはなんですか?
内山陽瀬 海外の子達の積極性が印象に残っています。例えば、日本だと、オープンスクールとかバレエ教室の中でも順番は絶対守ってやるのを、外人の子達は人数が足りなかったら率先して入ったりとかするし、「3回目か4回目だよね」っていう人もいっぱいいたので、自分も感化されて東京に戻ってからも、人が足りなかったらそこに入ったりとかっていうのは、もう積極的にしていいことなのだなって思ってやっています。
-外国の方とのコミュニケーションで困った事などございましたか?
内山陽瀬 私は上級クラスでしたので、ペアワークだったりグループワークだったりっていうのが最初からありました。そんなとき英語が喋れる人と組んじゃうと辛いなって思いました。向こうの人は英語が喋れるから、他の子達は英語が喋れる子同士でやればそれでいいですが、英語が喋れない子を選んでペアワークやるぐらいの方が、たぶん丁度いいかもしれないなと思いました。
-具体的には、作品づくりとかっていうことですか?それとパ・ドゥ・ドゥとかですか?
内山陽瀬 パ・ドゥ・ドゥもそうだし、スタジオパフォーマンスに向けて作品づくりをする為のレッスンだから、ひたすらレッスンの内容がパフォーマンスよりでした。最後にパフォーマンスやるかもと薄々感じてきました。 オーデションとかにも響いてくるのだろうなあとも思いました。
-主にペアワークですか?
内山 陽瀬 さん/ドレスデン国際バレエサマースクール内山陽瀬 2人ペアでやって、男の子が少ないから、パ・ドゥ・ドゥは基本的に1人の男に対して2人の女の子が付く感じなので、3人体勢で交換し合いながらやる感じです。
-クラシックバレエだけではないプログラムだったと思いますが、その辺に関してはどうですか?
内山陽瀬 日本だとクラシックバレエだけになっちゃうし、あとベルリンとかワガノワに行っている子と一緒にクラス受けてみて、あの子達も結局、コンテはずっとやってないとか、学校にいながらもコンテはずっとやってないとか、クラッシックしかやってないとか、パ・ドゥ・ドゥ久しぶりって言っているので、その2週間の中で全てレパートリーやフォーサイスとかも含めてできたっていうのは、凄く充実していたのだなあって思います。海外のバレエ学校って充実しているイメージがやっぱりあるのです。でも海外の子達にとっても結構疲れたとか、「もうダメだ」とか、「難しいのだけど」とかっていう言葉が聞こえたので、ちょっと安心したというか、日本でも断然行けるなって思いました。ただ外国に行くことって、毎日レッスンするっていうのが普通になるから、そういうのも大事だなって思いました。レッスンの内容でいろいろほんとに発見がありました。
-フォーサイスのレパートリーはいかがでしたか?
内山陽瀬 フォーサイスは難しいのですけど、多分はまったらほんとに凄く好きな人は好きだと思います。一瞬でポワントがダメになります。(笑)
-純クラよりもネオクラの方がトウシューズへのダメージが多いですか?
内山陽瀬 大きいですね。ネオクラだと床に打ちつけたりすべったりだとか、普通にポワントでこれしちゃあかんでしょみたいなことをさせられるからダメージが大きいです。上へ上へよりも下へ下への力が強いから、床を押して立たないといけなかったり膝を曲げた状態から立ったりとか普通クラッシクではないことをするから、ダメージは大きいと思います。
-ネオクラシックへの抵抗はございませんでしたか?
内山 陽瀬 さん/ドレスデン国際バレエサマースクール内山陽瀬 私はもともと純クラッシックよりもネオクラッシックみたいな軸が外れているので、自分のバレエを正していきたいと思いつつもネオクラの方がやり易かったりしたので、あまり抵抗はないです。だから、逆に、純クラッシックをほんとに極めている人だと抵抗があるかもしれないです。
-ドレスデン国際バレエサマースクールは様々な国籍の方が参加されていたと思いますが、踊りなど何か日本の方との違いはございましたか?
内山陽瀬 私が同年代と普段あまり踊ってないので、そこはちょっと比較しづらいのですけど、皆さんスタイルはいいなと思いました。自分よりちょっと技術が落ちていても、スタイルがいいから良く見えてしまったりするのです。そういった面で日本人のアイディンティティを強く感じました。行く前は、「一緒でしょ。技術がちゃんとあれば同じに見えるはずだ。」と思ったのですけど、「技術があってもスタイルが悪い分、もっと頑張んなきゃ日本人勝てないのだなあ。」と痛感しました。また、ヨーロッパの子達は踊り方が雑だとも思いました。日本人の方がやっぱり正確性っていうのはあると感じることは何回かありました。ヨーロッパの子たちはトウシューズに上手く立てちゃうから日本人よりは腹筋とか背筋が弱いと思いました。
-今年のドレスデン国際バレエサマースクールはどんな方が参加されていましたか?
内山陽瀬 ベルギーの王立の子とかアントワープとか、カナダナショナル、ワガノワとかあとは英国ロイヤルの卒業生とか。英国ロイヤルの現役生も居たし、あとは、ドレスデンの学校の子。パルッカの子も何人か一緒に受けていて、その子達はほんとにコンテが上手い、素晴らしいです。みんなが覚えられない振付を一瞬で覚えるのです。イギリスの子とかもいたし、あとハンガリー国立の子は奨学金貰ってきていたらしくて、ちょっとヘラヘラしていてイライラしましたね。
-サマースクール参加者の意識で違いはございましたか?
内山陽瀬 日本人真面目だなって思いました。外人の子はすぐ休みたがります。クラスの人数がだんだん減ってくるのです。クラッシックとかも先生3人いたのですが、生徒の中にはこの先生が嫌だからと言って休む子もいました。私のクラスは60人いたので、誰がいると居ないとか分からないのですが、オーラがある子とか目立つ子だとあの子居ないなぁって分かるのです。ジャンプとかも足が痛ければやらないですね。見ているのが普通みたいな感じの子もいました。あと、自分が得意なものとかやりたいものは、さっき3~4回やっている子がいるって言ったのですけど、みんな出てきちゃうからピアノが止まらないのですよ。ただ、苦手なやつだとみんな出てこないから、ピアノが止まったりとか、自分が一人でやったりとかがありました。いつの間にか私一人だったみたいなこともありました。外人の子達は、なんか自由な精神の下にやっているなあと思いました。多分、お金とかあまり気にしないで受けているのだろうなあと思いました。向こうはレッスンが豊富にあるから、やらなくてもいいやっていう意識があると思いました。
-クラス以外のことでは印象に残ったことはありますか?
内山 陽瀬 さん/ドレスデン国際バレエサマースクール内山陽瀬 生活とかですか?
-はい。
内山陽瀬 生活は住みやすかったです。食べ物も美味しかったです。
-どういった物を召し上がりましたか?
内山陽瀬 ハムとかチーズを。
-なるほど。ハムとチーズ美味しいですよねえw
内山陽瀬 毎日、チーズとヨーグルトをずっと食べていました。
-ビュッフェ形式ですか?
内山 陽瀬 さん/ドレスデン国際バレエサマースクール内山陽瀬 朝ご飯はそうです。朝ご飯は毎回シリアルとかも豊富だし、美味しい物があったので良かったし、スーパーとかも安いから。なんか日本では食べられないチーズとかも安くて嬉しかったです。
-飲み物とか水とかも大丈夫でした?
内山陽瀬 水はむしろ炭酸こんなにいっぱいあるのだと思いました。無料でフレーバーの1リットルの炭酸水とかを学校の食堂でいただけるので、それを毎日2本ぐらいもらって丁度いいぐらいでした。私は苦手ではないのですが、フレーバー水しかなかったので普通の水が欲しい人にはちょっと辛いかもしれないですねえ。乾燥する割に冷たい飲み物がないから、それはちょっと不便かもしれないと思いました。あとペットボトル料金がかかります。普通に買うと高くなるから、普通の炭酸がない水は何本か持って行った方がいいかもしれないと思いました。
-ドレスデンの街自体はいかがでしたか?
内山陽瀬 銃声が時々聞こえる時があって。ホステルの中に居て、「今の銃声だよね?」みたいな「今、2発鳴ったよね?」みたいな「花火じゃないよね?」みたいな、ずーっと朝っぱらから銃声がドーンって響いたとか結構あって、「何なのだろうねえ」みたいな事もありました。でも、たぶん普通に過ごしていれば安心、安全な街ではないかと思います。
-学校とホステルの行き帰りはどのようにされていましたか?
内山陽瀬 エスバーンを使いました。学校の子でも結構エスバーン使う人が多くて、トラムだと乗り換えが面倒なのと、駅が真反対にあるのかな?駅を超えてトラムに乗るので、駅の中にあるエスバーンに乗っちゃった方が多分15分ぐらい歩くのですが、1本で行けて楽でした。あと、駅の中のクッキー屋さんに試食してから、エスバーン乗るみたいなことをしていました。外人の子は歩いて行く人も多かったです。
-今後の目標を聞かせて頂けますかね?
内山 陽瀬 さん/ドレスデン国際バレエサマースクール内山陽瀬 ドレスデンに行って、「まだ足りない所があるなあ」とか「日本でいっぱいやれることってあるなあ」っていうのは感じたので、海外に再チャレンジしたいのですけど、ドレスデンにいる頃よりはもっと語学力を上げていくことと、あとは、ドレスデンで足りないなって思った所を上手く上達させていって、またドイツに行くことが目標です。
-内山さんの今回ご参加されたドレスデンのサマースクールに今後参加される方へのメッセージ、アドバイスをお願いします。
内山陽瀬 奨学金とかスカラシップとかを取りたいのであれば、若いうちに参加した方が有利かなと思いました。今回、入学許可、スカラシップを出されたのが全て15~16才の男子の中から選ばれていました。若い子達には狙い目かなって思いました。もし、そこで入れたら、きっとコンテが凄く上手くなるから、今後にたぶん凄く良いかなと思います。あと環境が凄く整っていると思いました。日本人に対しても優しいしです。サマースクール自体に関しては、凄く充実しているので行ってみるのは価値があると思います。2週間だけでも、初めての海外の人にはお勧めします。ただ、その時には語学をちょっとやっていた方がもっと楽しめるし、2週間しかないから1週間でだんだん語学に慣れてくるので、その前から語学をやっとけば、1週目から楽しめるかなと思います。あとは、あっちは靴生活なので、靴とポワントを分ける為のサンダルとかみんな持って行ったので、そういうのも必要かなって思いました。サンダル、ビーサンとか、ゴムの今流行りのサンダルですね。ああいうのを持って行くといいかなと思います。みんな普通に移動には草履とか履いていました。あとは、天気の急変ですかね。寒暖の差がめっちゃ激しくて困ったので、そこは、長袖長ズボン絶対持って行った方がいいなと思いました。それとジャージで移動しても何も誰も非難はしないので、ジャージ何枚か持って行くぐらいで丁度いいかなって思いました。服はそんなにいらないと思います。
-ありがとうございます。