白瀬真希さん/ルーマニア国立バレエ団/ルーマニア白瀬真希さん プロフィール7歳の頃よりインターナショナル・ダンス・スクールでバレエを始める。2005年、15歳でモナコ公国、アカデミー・ドゥダンス・プリンセス・グレースに留学。マリカ・ベゾブラソバ氏、ローラン・フォーゲル氏に師事。2010年よりルーマニア国立バレエ団に入団し現在に至る。バレエ団でのソリストレパートリー、バヤデルカ結婚の場より小さいソリスト、影の場より第1、眠れる森の美女より、妖精、宝石、アンナ・カレーニナより二人の友人、バランシンよりワルツ・ファンタジーなど。
-簡単な自己紹介ということで、現在までのバレエの略歴を教えて頂けますでしょうか?
白瀬 7歳の頃にインターナショナルダンススクールでバレエを始めて留学しました。
-留学はおいくつの時ですか?
白瀬 2005年からモナコのプリンセスアカデミーに留学しました。高校2年生だったので16歳の時ですね。高校2年生の夏です。
-留学をするキッカケは何かあったんですか?
白瀬 キッカケは、地元のバレエ教室によく海外の先生を呼んでもらって講習会とか、普通のクラスも大体、基本的に外人の先生だったので、そういうのもあって「留学したいな」というのは中学生の頃には思っていたんですね。 
モナコを選んだのは、いろいろな外人の先生に教えてもらっている中で、サマーセミナーの講習会でエバ先生がうちの教室に来たんですね。それで、その時に「どこか留学したい」というのを先生が相談して下さって、それで、エバ先生が「モナコに行ったらどうかしら?」というのを進めて下さいました。
-モナコにまず行かれて、その後、今はブカレストにいらっしゃるんですよね?
白瀬まき はい、ブカレストにいます。
-学校はモナコで全部留学を終えて、お仕事としてブカレストに移動されたという感じなんですか?
白瀬 はい、そうです。
-モナコというのは、バレエの留学先としては人気のある場所なんですか?
白瀬まき 人気かどうか分からないんですけれども、昔はよくロザンヌバレーコンクールとかユースグランプリとかで、よくうちの学校からスカラシップ賞がが出てたので、そういうのがあってたぶん留学生はスカラシップで来られる方が多かったです。
-行かれた時には、日本人の他の方もいらっしゃったんですか?
白瀬 そうですね。私がいた時代は凄く多くて、多い時は10人ぐらい居たりしました。
-全部で学生はどのぐらいいるんですか?
白瀬 私がいた時は、それこそ3~4歳とか小さい子もいたので凄く多かったんですけれど、1クラスに10人いるかいないかとかだったんで、それで8年生まであったので、80人とかそれぐらいはいたと思います。もっといたかもしれないです。
-先生がいらっしゃっていたのをキッカケにモナコに行かれたという事だったんですけど、
試験を何か受けたりとか書類を提出したりとか、そういう準備もやはり事前にされたんですか?
白瀬 そうですね。書類は学校に問い合わせて、ほとんど親がやってくれたので分からないんですけれど。多分、健康診断とか、そういうあまり難しいものではなくて。あと試験は、モナコに直接行ってサマーセミナーが試験というか、一か月の間に先生達が私の踊りを見て判断するというものだったので、それが一応試験でしたね。
-そのサマーセミナーが試験の代わりになっていって、それが終わった後は、すぐ現地で学校に入られたんですか?それとも一旦帰ってきて、いろいろやってから長期で向こうに行かれたっていう感じですか? 
白瀬まき 確か一旦帰って。サマーセミナーは一か月だったので7月とかに受けて、学校は9月からなので。一旦帰ってきてちょっと準備して。
-でも急ですよね。凄い近いですね。
白瀬 そうですね。
-日本でフランス語とかはあんまり勉強する時間もなく、一か月ぐらいで行かれたってことは、行って授業の中で勉強する感じでされてたんですか?それとも語学学校とかも行かれたんですか?
白瀬まき 今は多分もう外国人の為のフランス語の授業というのが出来たんですけど、私の頃はそういうのがなかったので、校長先生に「自分でやんなさい」と言われて自分でやったり、たまたま知り合いの日本人の方が現地にいらっしゃって、その方がフランス語を個人的に家庭教師というか、ちょっと教えて頂きました。
-大変ですね。ダンスの方も言葉も同時にやらないといけないですよね。
白瀬 そうですね。大変でした。
-学費とかは、これはスカラで行かれたんですか?
白瀬 私は普通の留学で行ったので。
-言葉も慣れない所だったりして、セミナーも大変でしたか?
白瀬まき そうですね。フランス語だったので、英語も全然喋れなかったので、本当に大変でした。でも、先輩の日本人の方がいらして、通訳して下さったりとかしてくれたので大丈夫でした。
-高校生にとってはそういうのも大変ですよね。手続きに関してはご家族の方がいろいろ手伝ってくれて、セミナーの中で苦労された点は語学以外には何かありましたか?
白瀬まき 語学がひたすら私の中で大変だったので。
-踊った感じのダンスのレベルみたいなものは、「同じぐらいの人もいるなあ」とか「自分の方がレベルが高いなあ」とか「低いなあ」とか、そういうのっていうのは感じたりされましたか?
白瀬 レベル自体は自分のレベルに合ったクラスに入れられたので、そんなに気にならなかったんですけど、やっぱり持ってるものの差というか、そういうフィジック面で結構、「ああ、やっぱり違うんだな」と思ったりはしました。
-体格とか何かセンスみたいなものとか、そういうものですか?
白瀬まき そうですね。身長とかも、ちょっとあったと思います。
-ホームシックとかにはならなかったですか?
白瀬 私は意外にならなかったですね。でも、周りの子は結構それで凄い大変になった子もいたみたいで、やっぱり毎日、親に電話したりとかして大変そうでしたね。
-留学生は日本以外の国からも来ている人というのは沢山いましたか?
白瀬 そうですね。基本的にはモナコはフランスの近くなので、スペインとかイタリアとかフランスの方とかそういう子達でできていたので、あまり遠くはないんですけど。あとは大体、日本人だったので。 
-学校はどんな雰囲気だったか、特徴とか覚えてらっしゃいますか?
白瀬 モナコは建物も景色も凄い綺麗です。
-観光地というイメージが私にはありますけれども。
白瀬 そうですね。買い物とかも高いのであまりできないので観光という感じではないんですけど、海は綺麗なので、ゆっくりしに行くにはいいと思います。
-日本でもバレエをずっとやってらっしゃったとは思うのですけれども、そことの違いというのは、何か先生のレッスンの仕方が違うとかシステムが違うとか、何か大きく違いを感じた所ってありますか?
白瀬 日本だと「365日やれればやれるほどいいみたいなレッスンを」という感じだったんですけれど、海外に行ったら、土曜日は午前授業で終わりで、日曜日は週一でお休みだったんですよ。怪我とかしたりしたら、日本だったら「多少の怪我はまあ普通よ」みたいな感じだったんですけど、海外だと、ちょっと怪我すると「休みなさい」って感じで。ちょっと「お腹痛い」って言っただけでも休ませてもらったりとかして。でも逆に日本人の子は、怪我とかお腹が痛いとか熱とかいうのを言わない子が多いので、なかなか真面目すぎるというのはあったんですけど。そういうのは結構、大きな違いだなあと思いますね。
-練習量としては、日本人の方が一般的にきっと多いんでしょうね。
白瀬 だと思います。
-休むということは、始め不安だったりとかしましたか?
白瀬 最初、何してたらいいか分からなくて。留学って、踊りを習いに行くわけなので、他に目的がないじゃないですか。「これから何しよう」「何したらいいんだろう」みたいな。
-留学をして、いろいろ厳しい環境に置かれると思うんですけど、日本でやっておいた方がいいなっていう準備とかはありましたか?
白瀬 はい。やっぱり私の中で一番大きいのは英語ですかね。学校の授業で習う英語は凄い大事なんですけど、でも、あんまりなんか実践では使えないというか、外国の方を目の前にして話すと、やっぱり喋れないので、本で勉強するんじゃなくて、英会話教室に行ってた方がやっぱり良かったのかなって。それは全然違うので、「やっとけばよかったな」って思いますね。モナコはフランス語だったんですけど、でも、どうしても分からない場合は先生方が英語で説明したりして下さったので。それでも、英語がちょっと分からないと、「あれ?」みたいになっちゃうので。
-授業はクラスで全部進んでいくような感じになるんですか?プライベートとかのレッスンとかもあるんですか?
白瀬まき うちの学校は全部クラスで、プライベートはなかったですね。
-ダンスというのはレッスンの時間があって、あとは自分で練習をする時間とかもとるんですか?それとも、踊ったりしているのは授業の中だけで、あとは体は休ませるっていうような感じになるんですか?
白瀬 ほんとは休ませる時間だと思うんですけど。大体、学校は夕方以降はお休みなので、結構やっぱり真面目な子とか、特に日本人の子は空いてるお教室でバリエーションの練習をしたりとか、今日習った事の復習をしたりとかはやってましたね。
-練習はお家ではやっぱりあんまり体動かしたりするので出来ないものですかね?学校でやるものですかね?
白瀬 お家ではやらないですね。お家ではストレッチとか筋トレする子は結構いたんですけど、やっぱりバレエは家では出来ないです。
-動きが大きいですもんね。
白瀬まき そうですね。
-体を使うので、ほんとに疲れるというか、一日経つと肉体的な疲労って凄そうですね。
白瀬 そうなんです。
-踊りって、見てると凄く優雅なんですけどね。
白瀬 そうですよね。全然なかはハードですよ。
-学校ではいろいろみんなで発表したりとか、学外の人を呼んで見せるっていうようなチャンスとかは沢山あるんですか?
白瀬 沢山はないんですけど、クリスマスとかイベントの時に学校の中で小さいショーがあったり、学校の外で近くの劇場でショーがあったりはしましたね。進級試験とかは舞台でやっていたので、そういうのはショーじゃないんですけど、一応、お客さんを呼んで試験をしたりとかしてたので。
-そういうのも緊張しますね。
白瀬 はい。凄い緊張しました。
-大体、夕方ぐらいまで学校あるって仰ってたと思うんですけど、どんなスケジュールというか。実際、バレエと言っても、いろいろ項目に分かれてやられるんだと思うんですけど、時間割みたいなものが決められていて、それに従って一日過ぎてそれをこなすっていう感じになるんですか?
白瀬 はい。そうですね。ほんとに普通の高校とかと一緒で、基本的に朝一のクラスがバーレッスンというか、普通のクラシッククラスがあって、その後に、ポワントのクラスがあるかバリエーションクラスがあるか、パ・ドゥ・ドゥクラスがあるかという風に分かれてきて、他にもキャラクターのクラスが週一であって、あと、音楽のクラスとかも週一でありますね。音楽は、他の学校でやってる音楽学校の音楽のクラスを受けていました。
-ピアノを弾くとか?
白瀬 いえ、ピアノは弾かないんですけど、普通にリズムをとる授業だったり、歌を歌う授業だったり、ほんとにいろいろでしたね。
-何か座って勉強するっていう科目はあるんですか?
白瀬 それが音楽でした。あとは、机とかを使うわけじゃないんですけれども、スタジオでみんなで集まって解剖学の授業とかはありましたね。
-それは体を知ろうということですかね?
白瀬 そうですね。この動きをする時はこの筋肉を使ってとか、ここの筋トレをする為には、ここの筋肉を意識するとか。それが解剖学の授業だったんですけど、ありましたね。
-そしたら、ほんとに基本的には動きっぱなしですね。
白瀬 基本的にはそうですね。
-そうすると、例えば中学生ぐらいの年とか、小学生ぐらいの年の方っていうのは、普段、授業とかは学校で受けてから、ここに踊りに来るという感じなんですか?
白瀬 私がいた時は、外国人の方は普通の学校と一緒だったので、普通の授業もうちの学校の中でやってましたね。算数とか数学とか普通に学校でやることもやってました。
-それはダンスが終わってからですか?
白瀬 そうですね。とか合間に。その時はスタジオは2個しかなくて、8学年あったので、全員一気には出来ないので。だから、大体早い時間は小さい子達だったり。一番小さい子は夕方とかなんですけど。クラスが分かれて、2年生のクラシッククラスがあって、3年生のクラシッククラスがあってという風にあって、そのクラスがない間に授業してたみたいです。
-そしたら、留学生は普通の勉強もあって忙しいですね。
白瀬 そうですね。日本人は高校とか行ってからくるのでもうやらなくていいんですけど、外国の方は大変そうでした。
-学校に通っているうちに、モナコだったりフランスだったり、他の近隣の国のバレエ団とか、なんかそういう卒業した後に、就職するというか、お仕事として繋がっていくような人との関係というのは、出来ていくものですか?。
今、ブカレストにいらっしゃると思うんですけども、そういう終わった後、どうしようか。日本に帰ってくるのか、そっちで何かダンスの仕事があるのかという所を迷って留学に踏み切る時に、迷う方っていうのが多いんですね。
「行ったけど、その後、何があるんだろうか」みたいに不安に思う方がいらっしゃって。在学中に、何かそういうオーデションのチャンスがあるとか、そういうのっていうのはありましたか?
白瀬 モナコでは、2年に1回近くの劇場でいろんな学校が集められて、いろんなバレエ団のディレクターも集められてオーデションみたいなのがあって。それに出たり。
あと、やっぱり最終学年に近づいてくると、必然的にやっぱり先生達も「そろそろオーデション活動しなさい」みたいな感じで、いろんなディレクターを呼んだりとか、自分で受けに行ったりとかしてましたね。
-それは、みんなライバルという雰囲気になっちゃうものですか?
白瀬 いや、学校の同じ学生内ではならなかったんですけど、やっぱりオーデション会場とかに行くと、やっぱりみんなちょっと怖いですよね。
-他の学校の人同士とかは。
白瀬 そうですね。それは多少あると思います。勿論、そこで友達が出来ることもあるんですけど。
-席は限られてますもんね。授業以外は、日曜日とかはどんな風に過ごしていらっしゃったんですか?
白瀬 ほとんど散歩ですよね。あんまり動かな過ぎるとちょっと次の日が不安になるので、お部屋でゆっくりストレッチしたり。
-休ませつつ、休ませ過ぎないみたいな感じですね。
白瀬 そうですね。食料を買い出しに行ったりしてました。
-モナコ高いって仰ってましたけど、行くとちょっと安いとことかあるんですか?
白瀬 そうですね。一応、一つだけ大きいスーパーマーケットがあるので、そこに行ってました。
-同じ学校の中では、日本人の人達というのは何かコミュニティみたいなものはありましたか?集まって一緒に行動したりとか、そういう事はありましたか?
白瀬 学校の中では普通にみんなお友達で楽しくやってて、みんなで海に遊びに行ったりとか、もちろん買い物とかも一緒に行ったりとかしてました。みんなちゃんと仲良くやってました。寮生活なので、大体2~3人ずつに分けられるんですよ。だから、同室の子とかは特に仲が良かったりして。勿論、日本人だけとは限らないんですけど、外人の子と一緒にもなったりもするんですけど、それでも全然大丈夫です。
-寮は留学が決まった時から、住む所は確保されていたんですか?
白瀬 そうですね。学校が用意して下さるので。モナコは寮が学校と直結してるんですよ。凄い楽でした。
-モナコだと生活費というのは、どのくらい一般的に考えて、かかる感じなんですかね?
白瀬 多分、学費とか寮費とか全部入れると、普通にたぶん大学行かせるのと一緒ぐらいだと思います。 
-日本でも一人暮らししたりとか、寮に入ったりして学校に通って。外食とかする時のお金というのは、日本でお茶を飲む時とかの金額と比べてどうですか?物価っていうのは全体的には高いんですか?
白瀬 選ぶお店とか食べる物にもよるんですけど、でも、学生の頃は、そんなレストランとかは行かないので。レストランと言っても安いピザ屋さんとかだったら、全然安く食べられるので、そういう面では全然大丈夫でした。
-「留学して良かったな」と思う瞬間とかはありましたか?
白瀬 モナコに行って凄い景色を観たりすると、「あっ、来てよかったなあ」って思います。寮の窓の外に凄い綺麗な景色が広がってたり、夜とか凄いほんとに綺麗なんですよ。その時は「ああ、やっぱりきてよかったな」って思いました。
-学べる内容とかも、日本にいる時よりも広くなったとか、視野が広がるとかそういうのはありますか?
白瀬 解剖学とかはほんとにやった事がなかったので、ほんとに「なるほど!」って思うことばっかりでした。
-日本ではそういう科目というのは、なかなかバレエ学校ではやらないものなのですか?
白瀬 なかなかないですねバレエ学校というのが日本にはまだ少ないんじゃないですか。バレエスタジオはいっぱいあるんですけど、要はバレエスタジオだとクラシックのクラスしかないので、あんまり解剖学とかはやっていないと思うんですけど。あと、向こうの学校だとクラッシッククラスの面でいうと、凄く教えることが丁寧なんですね。凄い基礎を大事にするというか.日本だと結構、テクニック強くするためのクラスというか。でも、海外は基礎を重視してアンデオールをしっかりするという事から、ほんとにかかと前かかと前ばっかりでと言うのはありましたね。
「凄い丁寧だなあ」と思って、手の使い方から細やかな動きをしっかり叩き込まれたのを覚えています。 
-海外というのは、バレエを習う人口っていうか。日本だと習い事の人気分野の一つというイメージはあるんですけど。ピアノとか女の子のバレエとかあるんですけど、向こうだとバレエを習うというのはどんな感覚なんですかね?似たようなものなんでしょうか?それとも、もうちょっとキチンと根付いているような感じでしょうか?
白瀬 そうですね。根付いてる感じだと思います。学校はバレエスタジオみたいに多くないので、試験を受けて選ばれた子しか入れないので、やっぱり厳選された子達というか、向こうだとみんながみんな出来るものではないので。
-留学して、何か自分が変わったなという、成長したなと思える所とかはありましたでしょうか?
白瀬 内面的なことで言うと、凄い意見をしっかり言うようになったと思います。みんなによく「人間変わったね」みたいな風に言われたりとかして、昔はほんとに、凄い日本人ってシャイなんですよ。凄い恥ずかしがり屋が多くて、
でも、向こうに行くと、ほんとにそれじゃあやっていけないので、分からなかったら「分からない」と言わないといけないし、分かったら「分かった」って言わないといけないしという、ほんとにそういう簡単なちょっとしたことが大事なので、そういう意思表示は出来るようになりましたね。
そういう面で、やっぱり踊ってる時に表現に幅が広がるようになるというか。
-そういうのは活きてくるんでしょうね。
白瀬 そうですね。今思えば。
-今、ブカレストのバレエ団で踊っていらっしゃるんですよね?
白瀬 はい。
-今後もしばらくはそこで活動されるご予定でいらっしゃるんですか?
白瀬 そうですね、はい。また、9月に戻ります。
-契約っていうか、それって一年毎とかなんですか?
白瀬 そうですね。一年毎の契約で更新していきます。
-「これからバレエで留学したいな」って思っている方に、先輩しての何かアドバイスとか何か意見みたいなものってありますか?
白瀬 やっぱり、まず英語をしっかり読み込んで授業を受けておくことと、私、たぶん授業をまともに受けてなかったので、学校の授業でもちゃんとやってれば喋れる子は喋れるので、多分それも大事だし、海外に行くならやっぱり英語をやる事と、やっぱり意見を言うことですかね。
意思表示をしっかりすることだと思います。
-それ言えるようになるまでには、向こうに行ってからだいぶ時間がかかりましたか?
白瀬 かかりましたね。入学したての頃は全然喋れなかったので。
-そういう言いたいけど言えないっていう側面もありますね。
白瀬 それもありましたし、ほんとに恥ずかしかったし、外人の方がまず怖かったというか、壁を感じるというか。でも、卒業する頃には担任の先生に「君はまさかそういうキャラクターの子だとは思わなかった」みたいに言われたので。多分、日本人はほんとに静かな子だと思われやすいので。
-高校2年の途中で行かれて、卒業までは何年間ですか?
白瀬 私は4年かかりましたね。3年で卒業はしたんですけど、1年は就職活動をするために残してもらったというか、一応、寮に置いといて下さったので、クラスを受けつつ就職活動に専念しましたね。
-オーデションいろんな所を受けて。
白瀬 はい、そうですね。卒業した子が残って就職活動するみたいなプロフェッショナルクラスみたいなのがあったので、そこに1年いました。
-就職活動をしたりとか、実際にバレエ団で踊るということに関して、日本人で何か得なこととか、損なこととかっていうのは、感じることっていうのはありますか?
白瀬 日本人は真面目過ぎるというか真面目なので、それは当たり前なんですけど、例えばレッスン毎日受けるとか、休みじゃない日は行くというのと。あとは、リハーサルに遅刻しないとか、ほんと当然のことを外国の方は出来なかったりするんですよ。そういう面で、やっぱり日本人は毎日ちゃんと真面目にやっているので、凄いやっぱり信頼してもらえると思います。例えば、撮影をやる時に補欠で使ってもらいやすいというか。何か起きた時もやっぱり日本人は真面目だし覚えるの速いので。
-そういう所からスタートして。
白瀬 フリー用も狙ってなかったのに、覚えてるから。そういう事で、やっぱり日本人でよかったなっていうか思いましたね。
-逆に、不利だったこととかってありますか?
白瀬 当然の事なのに、やっぱり不利だった事は、シャイなのか意思表示をしないのか分からないんですけど、ちょっとでも怪我しちゃった時に言えなかったりとかして、自分で自分の首を絞めてしまうというか。本当だったら、休んだ方が早く治ったのにということがやっぱりあるんですよ。ちょっと休めば、すぐ治ったものが延びてしまったりとかして。
-そういう真面目さとかが良い方にも悪い方にも出る可能性があるということですね。
白瀬 そうですね。